ウェルポイント工法(地下水位低下工法)
この工法は、地下埋設管の敷設工事や浄化槽の埋設工事、又近年では建築基礎工事を施工する上で、地下水位が高くその施工に及ぼす影響が懸念される場合、補助工法として地下水位低下工法(以下ウェルポイント工法と言う)が採用される事があります。
ウェルポイント設置状況
地下埋設工事現場に布設のウェルポイント
ウェルポイント工法の特徴は、施工期間中一時的に施工に影響する範囲のみの地下水位を下げる事により、その施工を可能にし、また工事終了とともにポンプ停止後は、地下水位も元の状態に自然復旧すると言う、極めて地球環境にやさしい工法と言われています。
ウェルポイントの地下打設状況イメージ
ポイント構造図
ご用命から施工着手までの流れ
地建興業におけるウェルポイント工法のご依頼から施工までの簡単な流れを画像と供にご説明致します。
電話依頼 ⇒ 現場確認
お電話を頂いた後、ご要望に応じた施工についての現場確認を実施します。
検討/施工計画 ⇒ お見積
契約 ⇒ 施工準備(機材準備/工程(日程)調整)
現場乗込み ⇒ 施工
現場乗込み後の作業状況
今回の現場は、大きな集合住宅地の敷地内での作業となり、歩行者にも十分配慮しなければ成りません。着工前の現場での朝礼と本日の作業の確認、注意点などの指示を受けた後、荷降ろし開始です。
最初に機材配置の要となるバキューム&ヒューガル(親子ポンプ)の位置を決め、そこから周辺設備の配置を進めます。
ポンプ位置が決まれば、次にヘッダーパイプを配置していきます。荷降ろしのクレーン作業では架空線にも気を付けます。
施工現場の条件にもよりますが、汲み上げた地下水の排水路の確保も必要になる場合があります。その排水路の埋設管路を掘削中、既に湧水が確認されました。
こういった舗装路でのウェルポイント打設には、事前にコア抜きを完了しておくと、打設位置の確認も出来、作業効率が上がります。
ウェルポイント打設やその先行削孔(ヤリ)を行う為の水利は、近隣に利用可能な河川や用水がない場合事前に用意しておく必要があります。
清水タンクと散水車
生コン車で水の購入をすることも
先行削孔のヤリでは、強力な水圧でのジェッティングが必要で、そのパワーの源がこの消防ポンプです。
人力での先行削孔が厳しい場合バイブロを使っての削孔
バイブロ削孔が更に厳しい場合にはパーカッションドリルマシンに依るケーシング削孔で対処する事もあります。
一見、ヤリの作業と変わらない様に見えますが、ヤリの先行削孔の様に只道孔を通すだけではなく設置後、地下水を効率よく汲み上げるべくポイントをライザーパイプを通して伝わってくる手応え感触で探りながら決めると言う作業となります。 また打設直後に投入するフィルター材もウェルポイント効果に大きく影響しますので、量を惜しむことなく投入が必要です。
こうして2〜3本のウェルポイントの打設が完了すると、そのポイントから汲み上げられる地下水で次のヤリ作業、ウェルポイント打設作業と繰り返し作業が進められて行きます。
親子ポンプ槽内の汲み上げた地下水。
この水を再度ジェッティングに利用します。
正常な負圧管理もウェルポイント工法の基本です。